FXトレードにおいて「出来高」は重要な指標の一つです。
出来高とは取引された通貨の量を表し、市場の活発さや参加者の動向を示します。
出来高が増えると相場の勢いが強まる傾向があり、逆に減少すると相場は停滞しやすくなります。
本記事では、FXにおける出来高の基本、チャートでの見方、活用方法やトレード戦略について詳しく解説します。
FXにおける出来高とは?
出来高とは、一定期間内に取引された通貨の量を指します。
株式市場では取引量が正確に表示されますが、FX市場は相対取引であるため、出来高は厳密には表示できません。
FXにおける出来高の特徴
-
ティックボリュームが主流:FXでは「ティックボリューム」と呼ばれる価格変動回数を出来高の代用として使用します。
-
流動性を測る指標:出来高が多いほど市場参加者が多く、値動きが活発になります。
-
トレンドの強さを判断:出来高が伴ったトレンドは信頼性が高い傾向があります。
FX出来高の計測方法と表示インジケーター
FXでは株式のように取引所ごとの正確な出来高は表示できません。
そのため、ティックボリュームが一般的に使われます。
1. ティックボリュームとは?
ティックボリュームは、一定期間内に発生した価格変動の回数を指します。
-
ティック数が多い → 実際の取引量が多い可能性が高い
-
ティック数が少ない → 取引量が少なく、相場が停滞気味
ティックボリュームは完璧ではありませんが、価格変動回数が多いほど出来高が増えていると推測できます。
2. 出来高を表示するインジケーター
FXでは、以下のインジケーターを使って出来高を確認します。
-
Volume(ボリューム)インジケーター:ティックベースで出来高を表示
-
On-Balance Volume(OBV):価格と出来高を連動させた指標で、トレンドの勢いを測定
-
Money Flow Index(MFI):出来高と価格を組み合わせて過熱感を測定
出来高を活用したトレード戦略
出来高を正しく分析することで、トレンドの強さや反転のタイミングを見極めることができます。
1. 出来高と価格が連動するブレイクアウト戦略
出来高が急増した際は、相場が大きく動く可能性があります。
-
買いのブレイクアウト: 価格が高値を突破し、出来高が伴う場合は強い上昇トレンドが発生しやすい
-
売りのブレイクアウト: 価格が安値を割り込み、出来高が増加すると下降トレンドが加速する可能性が高い
ポイント
出来高が伴わないブレイクアウトは「だまし」の可能性があるため注意が必要です。
2. 出来高減少時のレンジ相場で逆張り
出来高が減少すると相場はレンジ傾向になりやすいため、逆張りが有効です。
-
レンジの上限付近で売り、下限付近で買い
-
小さな値幅で利確を狙うスキャルピング戦略
3. トレンド転換を見極める出来高の法則
トレンドの終盤では、価格が高値または安値を更新しても出来高が減少するケースがあります。これはトレンドの勢いが弱まっているサインです。
-
上昇トレンド中に出来高が減少 → トレンド終了の兆候で売りを検討
-
下降トレンド中に出来高が減少 → 反転の兆しで買いを検討
4. 出来高とダイバージェンス戦略
価格と出来高が逆行するダイバージェンスは、トレンド転換のシグナルになる場合があります。
-
価格が上昇、出来高が減少: 上昇の勢いが弱まり、下落への反転を示唆
-
価格が下落、出来高が減少: 下落の勢いが弱まり、上昇への転換を示唆
5. 大口トレーダーの動向を読む
出来高が急増する場合は、大口トレーダー(機関投資家)が参入している可能性があります。
-
大口の買い注文: 出来高が急増し、価格が急上昇
-
大口の売り注文: 出来高が増えながら急落
これを利用して、流れに乗るトレードが有効です。
出来高を活用する際の注意点
出来高は相場の勢いや転換を見極める上で有効ですが、FXでは実際の取引量が見えないため注意が必要です。
-
ティックボリュームは正確ではない: あくまで参考指標として使用する
-
指標発表時は出来高が急増: 指標発表時は出来高が急増しますが、一時的なノイズになることがあります
-
複数のインジケーターと併用: 出来高だけで判断せず、トレンド系やオシレーター系指標と組み合わせることで精度を高める
まとめ
FXにおける出来高は相場の勢いを判断するための重要な指標です。
出来高が増加している時はトレンドの継続やブレイクアウトの信頼性が高まります。
逆に出来高が減少している時はトレンドの勢いが弱まっている可能性があります。
出来高を正しく活用し、トレンドの強さや転換点を見極めることで、より精度の高いトレードを目指しましょう。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
FX取引にはリスクが伴い、元本を失う可能性があります。
投資判断はご自身の責任で行ってください。
0 件のコメント:
コメントを投稿