FX取引において、相場の転換点やサポート・レジスタンスラインを予測するために役立つ「PIVOT(ピボット)」は、多くのトレーダーにとって欠かせない指標です。
この記事では、PIVOTの基本的な仕組みや計算方法、実践的な活用法について詳しく解説します。
これからFXを始める方や、より精度の高いトレードを目指したい方はぜひ参考にしてください。
PIVOT(ピボット)とは?
PIVOT(ピボット)とは、過去の価格データを基にして、当日の相場の中心価格やサポートライン、レジスタンスラインを算出するテクニカル指標です。
特にデイトレードやスキャルピングを行う際に有効とされており、短期トレーダーに重宝されています。
PIVOTは以下のラインで構成されます。
- ピボットポイント(PP):相場の中心価格
- レジスタンスライン(R1・R2・R3):上値の抵抗線
- サポートライン(S1・S2・S3):下値の支持線
これらのラインを基準にして、相場が反転するポイントやトレンド継続を判断する材料として活用します。
今回表示したピボットのインジケーターは「PivotPoints.All-In-One」です。PIVOTの計算方法
PIVOTは、前日の高値・安値・終値を基に計算されます。計算式は以下の通りです。
- PP(ピボットポイント) =(高値 + 安値 + 終値)÷ 3
- R1(レジスタンス1) =(PP × 2)− 安値
- R2(レジスタンス2) = PP +(高値 − 安値)
- R3(レジスタンス3) = 高値 + 2 ×(PP − 安値)
- S1(サポート1) =(PP × 2)− 高値
- S2(サポート2) = PP −(高値 − 安値)
- S3(サポート3) = 安値 − 2 ×(高値 − PP)
これらの計算は、MT4やMT5などの取引ツールで自動表示されるため、手計算する必要はありませんが、仕組みを理解しておくことでより効果的に活用できます。
PIVOTの実践的な活用法
PIVOTは、単にラインを表示するだけでなく、戦略的に活用することでトレードの精度を高められます。
ライン付近で反発している所に印をつけてみました。1. サポート・レジスタンスを意識したトレード
PIVOTラインは、相場が反転しやすいポイントを示します。
たとえば、価格がR1やR2に到達した場合、利確や戻り売りのポイントとして活用できます。
一方、S1やS2で反発した場合は買いエントリーを検討するタイミングです。
2. トレンド判断に活用
PP(ピボットポイント)を基準にして、現在の価格がPPより上で推移している場合は上昇トレンド、下で推移している場合は下降トレンドと判断できます。
このシンプルなトレンド判定は、トレード方針を決める際に役立ちます。
3. 複数時間足での確認
PIVOTは、日足だけでなく週足や月足にも設定できます。
複数時間足のPIVOTラインが重なるポイントは強力な抵抗帯や支持帯となるため、相場の反転やブレイクポイントを見極めるのに有効です。
PIVOTと他のテクニカル指標の併用
PIVOT単体でも機能しますが、他のテクニカル指標と組み合わせることで精度が向上します。
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移動平均線(MA)と組み合わせる
価格がPIVOTラインに接近した際に、移動平均線が同じ方向に傾いている場合は、トレンドが継続する可能性が高いです。
反対方向の場合は反転のサインとして判断できます。
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RSIやMACDとの併用
PIVOTライン付近でRSIが70以上または30以下に達している場合、反転の確率が高まります。
関連記事→ RSIとは何か FX初心者でも分かる相場の勢いを読むテクニカル指標の活用法とトレード戦略
また、MACDがゴールデンクロスまたはデッドクロスを形成するタイミングでPIVOTラインに到達すると、トレンド転換のサインとなります。
PIVOTを使う際の注意点
PIVOTは強力な指標ですが、過信は禁物です。以下の点に注意しましょう。
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経済指標発表時は無効になる可能性がある
重要な経済指標の発表時は、PIVOTラインが機能しにくくなります。
大きなボラティリティが発生するため、ラインを簡単に突破することがあります。
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ダマシに注意
PIVOTラインで一度反発しても、すぐに戻ってくる「ダマシ」が発生する場合があります。
ダマシを防ぐためには、他の指標やローソク足のプライスアクションと組み合わせて判断しましょう。
まとめ
PIVOT(ピボット)は、FXトレードにおける重要なサポート・レジスタンスラインを示す指標です。
計算方法はシンプルですが、実践的な活用には相場の状況や他のテクニカル指標との併用が欠かせません。
PIVOTを効果的に使いこなすことで、トレードの精度を向上させることができます。FX取引を行う際は、ぜひPIVOTを活用してみてください。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
FX取引にはリスクが伴い、元本を失う可能性があります。
投資判断はご自身の責任で行ってください。
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